平均足とは、FXトレードにおいてよく利用されるメジャーなテクニカル指標です。トレンドを確認するために使われ、「コマ足」とも呼ばれます。ローソク足と同様に、「始値」「高値」「安値」「終値」の4つの値段(四本値)で表され、「実体」と「ヒゲ」で作られます。
平均足を理解するには、ローソク足がなにかを理解する必要があります。先程の出てきた「始値」は取引開始時の価格、「高値」は最も高く取引された価格、「安値」は最も安く取引された価格、「終値」は取引最後の価格を示します。始値よりも終値が高いと、ローソク足のボックス部分が白(もしくは赤)になり、陽線と呼ばれます。終値が始値を下回ると、ボックス部分は黒(もしくは青)となり、陰線と呼ばれます。ボックス部分(実体)から出ている先はヒゲと呼ばれ、上ヒゲの先端が高値を示し、下ヒゲの先端が安値を示すものです。
平均足の実体部分の上下、つまり「始値」と「終値」は二日間のローソク足のデータを利用し計算された平均値が用いられます。実体部分の長さは、トレンドの強弱を意味し、長いとトレンドが強いと考えられます。ヒゲ部分は、下ヒゲが長いと「強い下降力」を示し、上ヒゲが長いと「強い上昇力」を示します。そこからトレンドを視覚的に判断していきます。平均足はトレンドの継続を判断するのに効果的で、陽線と陰線は現在のトレンドの傾向に沿って表示されるため価格のトレンドを視覚的にわかりやすく表示してくれるのです。平均足は、上昇中に陰線(黒または青)が表示されにくく、下降中に陽線(白または赤)が表示されにくいため、トレンドが判断しやすく、同じ色が連続すると上昇または下降のトレンドが起きているという意味です。
ヒゲの特徴
長い上ヒゲのみ | 長い下ヒゲのみ | 混在 | |
---|---|---|---|
陽線 | 強い上昇力 | – | 弱い上昇力 |
陰線 | – | 強い下降力 | 弱い下降力 |
平均足からは以下のように判断できます。
▷上ヒゲが長く、下ヒゲがない陽線→強い上昇力
▷下ヒゲが長く、上ヒゲがない陰線→強い下降力
▷上ヒゲと下ヒゲの混在の陽線/陰線→弱い上昇力/弱い下降力
▷長い上ヒゲ陽線が続く+上ヒゲと下ヒゲの混在した陽線→上昇トレンドが終わるサイン
▷長い下ヒゲ陰線が続く+上ヒゲと下ヒゲの混在した陰線→下降トレンドが終わるサイン
平均足は売買シグナルがわかりやすいために、初心者さんにも使いやすいテクニカルチャートです。陰線が続いて陽線が出れば下降トレンドが終わることが予想されるので「買い」のサインです。一方、陽線が続き陰線が出れば上昇トレンドが終わるサインと読み、「売り」のタイミングと判断できます。
なお、見た目はローソク足と似てはいますが、意味は正反対ですので混乱しないように注意してください。ローソク足は長い下ヒゲが強い上昇力を表し、長い上ヒゲが下降力の強さを表します。平均足で上昇は続いている場合は、高値であることが多いので間違って買いを入れないようにしてください。ローソク足は細かな値動きやニュアンスを読むのに適しており、平均足とは違った使い方をします。
ローソク足と平均足の違い
長い下ヒゲ | 長い上ヒゲ | |
---|---|---|
ローソク足 | 強い上昇力 | 強い下降力 |
平均足 | 強い下降力 | 強い上昇力 |
このように平均足はトレンドの継続性を見極めたり、ヒゲの特徴を読み取ることでトレンドの強さを判断したりするのに役立ちます。MT4においての平均足は、EAで用いられるというよりは裁量トレードの際の判断材料として使います。もちろん平均足はテクニカル指標のため、これを用いてEAを作成することも可能です。ただし平均足にはパラメーターがないので、細かな設定を変更することはできません。高度な分析と安定した取引を行うための参考として利用してください。
MT4やEAを使うのに英語は必要?
MT4は使っているVPSなどによっては初期設定が英語となっていることがあります。これはMT4の設定を変更するだけで日本語表記にすることができます。英語から日本語への変更は以下のとおりです。
- MT4上部のツールバーの「View」→「Language」を選択。
- 「Japanese」を選択。
- MT4を再起動する。
以上で言語設定は完了です。文字化けしてしまう場合は、パソコンの言語設定を変更してみたてください。利用しているVPSによっては一部OSの言語が変更できない場合もあります。一度VPS会社に問い合わせてみてください。MT4は英語表記であっても、そんなに難しい単語は使われていないので、慣れれば英語でも不自由なく使えるかと思います。
日本人に人気のほとんどの海外FX会社は日本語対応しており、問い合わせやチャット相談なども日本人スタッフが対応してくれるなど、英語を使わないといけない場面はそうそうありません。英語を理解しなければいけないのは、海外のEAサイトからEAをダウンロードする場合くらいでしょう。英語といっても使われている単語は限られており、FXの知識があれば理解できることも多くあります。英語のサイトに抵抗がなくなれば、利用できるEAの幅も広がります。
MT4でのEAの解析
EAの解析はMT4のバックテストとフォワードテストで行います。バックテストは過去の相場でそのEAがどれくらいの成績を出すのかを確認する作業になります。基本的にはEAの開発元が公開していますが、そのバックテストが数ヶ月の古いものということもあるので注意してください。ほとんどのEAはバックテストを繰り返しながら、EAに最適なパラメーター値を見つけ、ロジックがうまく稼働するかなど、問題部分の解析が重ねられています。
バックテストと合わせてEAの解析に使われるのがフォワードテストです。フォワードテストは、MT4で現在の為替相場でそのEAがどのようなパフォーマンスをするのか確認する作業のことです。デモ口座を利用してEAやFXトレードのロジックを検証していくので、より実際の取引に近い環境で検証することができます。
EAを解析するにあたり、フォワードテストの方法は2つです。ひとつ目は、現在の日にちから1ヶ月ほどの期間を定め検証するやり方です。もうひとつは、バックテストの期間を半年前でストップし、残りの期間をフォワードテスト期間とするものです。バックテストだけでなくこのフォワードテストと合わせて、優秀なEAであるかを判断してください。フォワードテストで有効性が確認できれば、実際のトレードでも活用できるEAだと言えます。
MT4のEAは改造できる?
EAの改造を行うのに一番かんたんな方法は、パラメーター設定の変更です。パラメーター設定では、利益率を向上させたり、取引回数を増やしたりすることができます。逆に利益率を減らし、よりリスクを減らしたEAに改造するということも可能です。ただ、かんたんといっても、パラメーターの設定でEAのパフォーマンスが変わってしまうこともあるので、FX知識が十分にある中級者さん以上向けの作業になります。どのようなパラメーター値が有効なのかは、MT4の最適化機能で導き出していきます。
EAを大きく改造したいという場合は、MT4のメタエディター機能を利用してEAのプログラミングを調整することもできます。これはMT4のプログラミング言語MQL言語の知識が必要です。プログラミングに長けている方の中には、MT4ではEAを自作することもできるので、改造だけでなく自分の考えたロジックのEAを作る方もいます。ただ優良な自作EAはかんたんに作れるものではないので、長年のプログラミングならびにFX経験や豊富な知識が求められます。いずれにせよEAの改造を行うには、ある程度のリスクは伴いますので、実際の取引で改造したEAを実装する場合は、十分に検証を重ねたうえで行ってください。
MT4でEAの有効性を確認する方法
EAを改造したり、パラメーターの設定を変更したりしたあとには、MT4の機能を使ってEAの有効性を確認しなければなりません。EAの有効性を確認するにはバックテストとフォワードテストを活用します。バックテストは過去の為替相場で当該EAを動かした場合、どのような成績になるかを確認するものです。過去の相場で優秀なパフォーマンスをするのであれば、実際の相場でも優れたEAであると期待できます。逆にバックテストで期待した結果とならない場合は、実際の取引では損失を生む可能性が高くEAの修正が必要です。バックテストで有効性が確認できたら、次はフォワードテストです。
フォワードテストでは、現在のリアルな相場でどのようにEAが動くかを確認します。デモ口座にて実際のお金を動かさずにEAを稼働させてみます。ただしデモ口座とリアル口座では若干の誤差が生じるので、必ずしも同じ結果となるわけではないので注意してください。デモ口座はお持ちのFX会社のホームページから申し込むことができます。中にはデモ口座ではなく実際のリアル口座で少額で運用して見る方もいます。フォワードテストはバックテストよりも、かなり実際の取引に近いデータを取得できるので、両方を合わせてEAの有効性を確認していってください。
MT4でわからないことがあったら、専門家チームのサポートが充実しているmt4-ea.comがおすすめです。無料のEAも配布しているため、人気のサイトになっています。